研究会のお知らせ(2021/6/19)

ポスト・ケインズ派経済学研究会(6/19)のお知らせです。
 今回は経済動学セミナー(京都大学経済学研究科)との共催で、ハイブリッド開催の予定となります。参加申し込みが必要となります。
 内藤敦之(大月短期大学)
 以下の要領で研究会を開催いたします。
 【ポスト・ケインズ派経済学研究会】
 ○日時: 2021年6月19日(土)13:00-18:00
 ○場所: 京都大学大学院経済学研究科・法経済学部東館3階・311演習室(ハイブリッド)
 ○アクセスマップ http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/about/access/
 ○PK研ウェブページ http://js4pke.jp/blog/
 ○オンライン参加登録方法
  参加登録は申込フォームに「氏名,所属・職位,メールアドレス」を記入してお申し込みください.
  ・参加登録申込Google Form:https://forms.gle/ZbCagPxSBtSVTHCz8
 ・参加登録申込問い合わせ先: 内藤敦之(大月短期大学) naito.atsushi{at}gmail.com
  ・参加登録締切日: 6月16日(水)
  ・Zoom会議招待URL送付予定日: 6月17日(木)
  ・送付元・当日問い合わせ先: 佐々木啓明(京都大学) sasaki{at}econ.kyoto-u.ac.jp
 ◇プログラム
 13:00-13:10
 開会挨拶: 笠松 学 氏(早稲田大学政治経済学部)
 ハイブリッド進行説明: 佐々木 啓明 氏(京都大学大学院経済学研究科)
 13:10-13:50 第1報告
 報告者: 岡原 直人 氏(京都大学大学院経済学研究科・博士後期課程3年)
 報告論題: The effect of interaction between capital and liquidity
 regulations on banks behavior
 報告要旨: This study proposes a theoretical model in which liquidity and
 capital regulations interact with the supply of risk-free assets, and
 analyzes the effect of the interaction between regulation of the
 banks' capital and liquidity on the amount of their lending. These two
 types of regulations differently affect banks' decisions through their
 capital structures and/or profitability, and thus, overall effects
 depend on the levels of both regulations. In the model, it is shown
 that with respect to banks' stability, liquidity and capital
 regulation are substitutes. In addition, although a capital regulation
 generally tends to reduce banks' lending, a liquidity regulation does
 not have such tendency. Thus, there is a probability that liquidity
 requirements are preferable to capital requirements as it makes the
 system stable without causing negative effects on the economy.
 However, the effectiveness of liquidity regulation is not always high
 enough, and the model shows that relying heavily on liquidity
 regulation cannot achieve the stable financial system when there is a
 large supply of risk-free assets.
 司会者: 内藤 敦之 氏(大月短期大学経済科)
 14:00-15:10 第2報告
 報告者: 吉田 博之 氏(日本大学経済学部)
 報告論題: Alternative Monetary Policy Rules and Expectational Consistency
 (by Carlos Eduardo Iwai Drumond, Cleiton Silva de Jesus, João Basilio
 Pereima, and Hiroyuki Yoshida)
 報告要旨: We build a macroeconomic model that allows for non-linearity in
 the interest rate rule. We assume that in order to determine the rate
 of interest, the monetary authority considers the interaction between
 the actual inflation and the capacity utilization, so that the
 sensitivity of the interest rule to the inflation gap varies in
 accordance with the business cycle. The macroeconomic policy framework
 we propose enables the monetary authority to give as much weight to
 inflation as to the product without losing sight of the expected
 anchor role of the inflation target, for a closed economy as well as
 for an open economy.
 司会者: 二宮 健史郎 氏(立教大学経済学部)
 15:20-16:30 第3報告
 報告者: 藤井 聡 氏(京都大学大学院工学研究科,京都大学レジリエンス実践ユニット長)
 報告論題: 政府の経済財政政策に対する支援研究~政府モデルの検証と機能的財政政策実用モデルの構築~
 報告要旨: 今政府では、経済・財政・社会保障を一体的にモデル化した内閣府の計量モデル(以下、内閣府モデル)に基づいて将来予測を行い、経済財政政策、税政策が計量的に検討されている。しかし、この内閣府モデルには本質的欠陥があり、政府支出、とりわけストック効果を持つ公共投資による成長促進効果が著しく過小評価される構造を内包しており、事実上、乗数効果が1を下回るのみならず、ゼロとなるという計算結果を与えるものとなっている。この構造的欠陥を実証的に明らかにした上で、政府支出拡大、とりわけ公共投資、ならびに消費増税のGDPや税収、デフレータに対する影響に関する、一連の計量経済分析、ならびに、それらを踏まえたマクロ経済シミュレーションモデルを用いた分析を行った。その結果、いずれのアプローチを採用しても、政府支出や消費増税による乗数効果、あるいは、GDPや税収に及ぼす効果は、内閣府モデルの予測値よりも格段に大きいという結果が得られた。
 司会者: 浅田 統一郎 氏(中央大学経済学部)
 16:40-17:50 第4報告
 報告者: 服部 茂幸 氏(同志社大学商学部)
 報告論題: 分裂するヨーロッパ―グレート・リセッションのヨーロッパ起源
 報告要旨: 一般的にグレート・リセッションはアメリカ発だと言われている。しかし、本稿はヨーロッパがもう一つの震源地であることを示す。第1にアメリカだけでなく、一部のヨーロッパにも住宅バブルは存在した。第2にウォール街の強欲さが非難されているが、強欲なことではヨーロッパの金融機関も同じである。第3に国際金融の中心地はヨーロッパであり、ヨーロッパは国際的な金融バブルとバーストによって、危機を世界に広げるのに大きな役割をはたした。第4にユーロ危機とその後の緊縮財政によって、日米欧のうち、ヨーロッパの経済回復が最も遅れることとなった。
 司会者: 薗田 竜之介 氏(佐賀大学経済学部)
 17:50-18:00
 閉会挨拶: 佐々木 啓明 氏(京都大学大学院経済学研究科)
 共催:経済動学セミナー(京都大学大学院経済学研究科公認セミナー)
 PK 研幹事: 藤森頼明、笠松学、渡辺和則、浅田統一郎、吉田博之、 佐々木啓明、内藤敦之